頑火輝石 福井県大飯郡おおい町大島
2007年出品
大きさ8.5X7X4Cm。
全体がほぼ頑火輝石からなる、存在感のある標本。独特の帯緑褐色と、やや絹糸光沢ぎみの光沢が魅力的。
「頑火輝石」というと、多くのコレクターは岩手県道又や兵庫県鹿倉のような放射状集合を思い浮かべるところだが、福井県大飯半島のものは、それらとは大きく趣を異にし、数ミリから数センチに及ぶ結晶の集合として産する。この標本を見ただけで「頑火輝石である」と鑑定できる人は相当に限られるだろう。
また、こうした造岩鉱物の標本をどう評価するかは、コレクターとしての力量が問われる場面である。
ここのものは、カンラン岩中に脈状の輝石岩として産し、マグマ溜りの下部における結晶沈積作用の存在を示唆している。数億年前に地殻とマントルの境界付近で形成されたものと考えられ、地球科学的に重要なものである。松原聰著『日本の鉱物』(学習研究社、2003)194ページにも掲載。
結晶間の境界がまるで乾いた田の乾裂の様に見える。
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