輝水鉛鉱 Molybdenite 岩手県宮古市赤前北頭鉱山 Hokuto mine, Akamae, Miyako City, Iwate Pref., Tohoku Region, Japan
2014年出品
白色半透明の塊状石英脈中に、盤に平行なものを中心にした割れ目を充填し縞状を呈する輝水鉛鉱鉱石。結晶粒こそ小さく明瞭ではないが、鉱石としての存在感をじゅうぶんに示す一品である。
産地である岩手県宮古市北頭鉱山は、白亜紀前期の大浦花崗岩中に胚胎するモリブデン鉱床を採掘した鉱山で、昭和13年から20年までと、昭和26年から29年まで稼行した。
高橋維一郎・南部松夫『新岩手鉱山誌』(東北大学出版会、2003)では「鉱脈の下盤は通常鏡肌となり、一面に輝水鉛鉱が付着し、下盤の断層粘土中にも多量の輝水鉛鉱が混入して、いわゆるドロブデン(粘土と微細片状輝水鉛鉱の混合物)となっている」と記述されており(p.225-p.226)、本標本もこうした鉱石の構造の片鱗を見せている。
標本左右約12cm
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ミネラルマーケット2014は6月7日(土)10:30-17:00、飯田橋レインボービル1階にて開催です。
詳しくはサイト「ミネラルマーケット2014」をご覧ください。
入場無料。
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