ラウリオン石/ハーバードスミス石

最終更新日

ラウリオン石 Laurionite

ハーバートスミス石 Herbertsmithite

和歌山県東牟婁郡串本町

ラウリオン石  標本長径 約3cm
ラウリオン石 接写
ハーバードスミス石  標本長径 約2.5cm
ハーバードスミス石 接写

紀伊半島南部、和歌山県串本町の海岸からは、近年(2010年代以降)、各種の塩素を含む金属の二次鉱物の産出が報告された。

いずれも中新統熊野層群の砂岩・泥岩中の小規模な石英脈に伴う金属鉱物が海水と反応して生じたものである。

銅・鉛・亜鉛などの金属のハロゲン化二次鉱物は、南北アメリカなどの乾燥地帯で多く知られる。

日本ではほぼ海岸に直に面した金属鉱山跡から海水と鉱石鉱物が反応したものがいくらか知られている程度で、炭酸塩などの二次鉱物に比べるとごく少ない。

ラウリオン石(Laurionite)は、PbCl(OH)なる組成の鉛のハロゲン化鉱物。

紀元前から採掘されてきた古い鉱山として著名なギリシャのラウリオンを原産地とする。

発見は古く、1887年記載。代表的なスラグ・ミネラルとしても知られているが、日本国内での発見は、串本町が最初である。

実体顕微鏡写真で示すとおり、この鉱物に特徴的な、無色透明の尖った板状の可憐な結晶が認められる。

https://www.mindat.org/min-2343.html

ハーバートスミス石(Herbertsmithite)は、ZnCu3(OH)6Cl2なる組成で、パラアタカマ石の銅の一部を亜鉛に置換したものに相当する。

発見は意外に遅く、2003年にチリのLos Tres Presidentes鉱山から見出された。日本での発見はやはり串本町が最初である。

実体顕微鏡写真では、特徴的な結晶の形が認められる。

なおハーバートスミス石は「カゴメ格子」という結晶構造を有し、量子コンピュータの技術開発につながると期待される研究などでも注目されているとのことである。

https://www.mindat.org/min-26600.html



ミネラルマーケットは2024年6月15日(土)に大田区産業プラザPiO 2階小展示ホールにて開催いたします(入場無料)。

開催時間は10:30~17:00です。

昨年までと会場が異なりますのでご注意ください。

会場へのアクセスはこちら(https://www.pio-ota.net/access/

会場の最寄り駅は京急蒲田駅です(徒歩3分)。

また、今年は入場制限および優先入場はありません。



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