コニカルコ石 Conichalcite 福島県いわき市田人町黒田 支那志 御斎所鉱山
2014年出品
Gozaisho mine, Shinashi, Kuroda, Tabito-machi, Iwaki City, Fukushima Pref., Tohoku Region, Japan
標本左右約6cm、接写画面左右約2cm
「初成のコニカルコ石」とされるもの。
コニカルコ石は銅とカルシウムの砒酸塩鉱物であり、一般には砒素を伴う銅鉱床の二次鉱物として知られている。コニカルコ石といえば、鮮やかな緑色を示す小球状や葡萄状の集合をイメージするひとが多いだろう。
御斎所鉱山では、割れ目などに生じた「二次鉱物」のコニカルコ石を産するほか、バラ輝石などの鉱物粒とともに等粒状の組織を作り、それらマンガン鉱物と同時期の晶出と考えられるものが僅かに見られた。層状マンガン鉱床からは、こうした「初成のコニカルコ石」が稀に知られている。
本標本をルーペで観察すると、若草色透明ガラス光沢の粒状結晶が認められる。
はっきりとした結晶外形を示すものではないが、粒状の外観や質感には、「珪酸塩のヴァニア石(Vagnatite CaAl[OH|SiO4])との同構造関係も有名です。」(加藤昭『二次鉱物読本』関東鉱物同好会編、2000、p.53 )というのも「むべなるかな」と思わせるものがある。