蛍石 和歌山県田辺市本宮町大塔鉱山
2007年出品
大きさ10×7×3cm。
大塔(おおとう)鉱山は紀伊半島の険しい山岳地帯に位置し、近隣は熊野古道や瀞峡などで知られる。
昭和20年代に開発され、小規模かつ短命に終わった蛍石鉱山である。
新第三紀中新世のシルト岩を貫く浅熱水性の蛍石鉱床で、蛍石はふつう無色~淡緑色の塊状を成し、空隙には数ミリ程度の結晶も認められる。
特筆するべきは強い蛍光性を示すことで、しばしば太陽光の下でも蛍光するものがある。
海外ではイギリスのRogerley鉱山などの例があるものの、国内の蛍石では珍しい。
この産地でも、強蛍光性を示すものは多くなく、さらに自形結晶となると稀である。
室内光(白熱灯)で撮影。淡緑色に見える。 太陽光(の間接光)で撮影。紫色に蛍光している。
太陽光下、拡大。