褐簾石、インド石・菫青石 京都市左京区如意ヶ岳産
2010年出品
送り火で有名な大文字山の褐簾石は、明治の始め、京都帝国大学の比企忠先生により、日本で初めての放射能鉱物として発見されました。京都市の東方、大文字山と比叡山の間に分布する白川花崗岩には褐簾石の綺麗な結晶が普遍的に含まれています。
この標本は、大文字山の奥・如意ヶ岳で採集されたものです。黒雲母の濃集したところに産します。比較的褐簾石の密度が高いところです。
褐簾石 Allanite
標本左右 約6cm
大文字山と比叡山が際立ってそびえ立つのは、白川花崗岩の貫入によって古生代の堆積岩が変成を受け、ホルンフェルス化して風化に強くなっているためです。花崗岩との接触部に近い場所には、桜石の多い部分がみられます。
インド石・菫青石 Indialite, Cordierite
標本左右 約7.5cm
桜石の特徴的な構造がどのようにできたかについては、インド石が晶出した後、菫青石がインド石の柱面の上に成長をはじめ、インド石と菫青石がともに成長を続けたとする考え方が提唱されています。インド石は菫青石と同じ成分ですが、より高温で安定な結晶構造を持つものです。そのため、インド石の多くは温度降下とともに菫青石に転移しています。
桜石は多くは分解して雲母化し、ほんのりと桜色になりますが、この標本はインド石及び菫青石が分解せずにそのまま残された、珍しく新鮮なものです。
ミネラルマーケット2010は、6月5日(土)、飯田橋レインボービルにて開催です。
入場無料
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