アルミノパンペリー石 Pumpellyite-Al 埼玉県秩父郡東秩父村朝日根

2008年出品

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<標本1>

片面のみ研磨標本、厚さ約7mm

標本左右13.5cm

放射状の結晶集合が脈を作っているのがよく観察できる見事な標本。

パンペリー石は、造岩鉱物としては低変成度変成岩の指標となるほど広く産する鉱物であるが、肉眼で認められる存在感のある標本となると、たいへん産地が限られる。とりわけ「朝日根のパンペリー石」は古くから知られ、コレクターにとっては銘柄品である。変質した斑れい岩中に脈を形成して産する。標本1(研磨品)に示すように、脈は灰緑色繊維状の結晶からなり、稀に標本2のように空隙に繊維状~細かい針状の結晶を見せる。

この標本は約20年前、堰堤工事の際に得られたもの。その後、新たにパンペリー石を含む岩石の供給はなく、川筋の転石からではこのクラスの標本を得ることは困難である。

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<標本2>

空隙に細い自形結晶を見せるもの。白い結晶は曹長石。

標本左右9.0cm。

朝日根(皆谷)のパンペリー石は1936年、坪井誠太郎と杉健一によって記載された。

近年、パンペリー石グループ鉱物が再分類され、それまで「パンペリー石」とされていたものは、化学組成により「アルミノパンペリー石」「鉄パンペリー石」「苦土パンペリー石」などと細分されることとなった。アルミノパンペリー石相当のものでは朝日根が最も記載が古く、再分類に際してあらためて記載論文が出されていれば、ここが「原産地」として扱われたであろうとも言われる。

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